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2007.12.26

UFO論議活発。殺伐とした世の中、夢も必要だ。

 2007年年末、町村官房長官のUFOに関する談話に端を発し、政界でUFO論議が盛り上がった。その後、石破防衛相、渡海文科相に続く。石破に至っては、UFOだけでなくゴジラの来襲も考慮の入れているようで、さすがは国防を預かるトップだけのことはある。さらに石破の発言をうけて空自の幕僚長までUFOに関するコメントを出している。どれも空想の世界の話で政治的な責任を取る必要がないからなのか、言いたい放題でなかなか面白い。拉致問題や中国問題などでは考えられないほどの舌の軽さだ。その発言内容は差し置いて、日本内閣の主要閣僚がUFOに関する肯定的な発言をしたことは、海外のUFO研究家(だけ?)から高く評価されている。
 UFOの研究に関しては、アメリカが最もすすんでいて、米空軍は独自のUFO研究部隊を抱えているとか、CIAやNSCなどの国家的な情報機関も一枚噛んでいるなどの、国際謀略の話なども含んで華やかに展開している。しかしどれも政府外からの話であって研究の実態はよくわかっていないし、正確な情報も公開されていない。そんな中での町村発言なので、海外の各方面で評価されている。ちなみに日本の閣僚の発言が海外で評価されるのも珍しいことだ。

 今回のUFO話は、UFOの存在と地球外生命体の存在を同じものとして取り扱っているが、UFOの存在と宇宙人の存在はまったく別次元の話だ。UFOは"未確認飛行物体"であって、"正体が確認できていない飛行物体"はすべてUFOとなる。それこそステルス爆撃機などは、レーダーで確認できないわけだからUFOそのものかもしれない。地球上の生物が飛ばしていても、それが未確認であればUFOとなるわけだ。よってUFOが現れたからといって、それに宇宙人が乗船しているとかどうか、あるいは宇宙人が飛ばしているかどうかは全く別の話だ。UFOと宇宙人を結びつけるのによく使われる話が、UFOの動きが地球上の飛行物体では実現不可能なもの、いわゆる航空力学で説明できない動きだったので、地球上のものであるはずがないという推論である。しかしこれはこじつけと言ってよく論理的には破綻していることはおわかりだろう。

 では、UFOの存在の是非は別にして、宇宙人は本当に地球に来ているのだろうか?。宇宙人が地球に来ることのできる条件をいくつか挙げてみた(ただしこの条件は学術的な根拠があるわけではなく、あくまでエセ科学者の井戸端ネタと考えてほしい)
 ① いま正に宇宙のどこかの惑星に、地球に生物を送りこむことのできる科学力を持った文明が存在している
   こと。
 ② おそらく遠く離れているであろうその惑星から、地球に生命体がいることを突き止めることができること。
 ③ その惑星からわざわざ地球まで行ってみようという冒険野郎が存在していること。
以上の3点が満たせなければならない。

 このうち①は、"現在に同時に"というところがミソである。そもそも同時に存在しなくては地球に来ることはできない。異なった惑星で同時期に高度な文明が発生することが途方もない確率であることは計算しなくてもわかる。諸説はあるが有力な説をひもとくと、ビックバンによって宇宙が誕生したのが150億年前、銀河系の誕生が136億年前、太陽系と地球の誕生が46億年前だと言われている。そして地球に霊長類が現れたのが6500万年前、霊長類から直立歩行に移行し人類となり、その後文明が発達し宇宙飛行を可能になるまで成熟したのはここ40年程度のことだ(ただし人類が行くことのできるのは衛星である月が限界)。つまり46億年のうちのたった30年のことなのである。このまま人類の文明が1万年は続くと仮定しても、46億年の中のたった1万年でしかない。仮に地球と同時期に同じような条件の惑星があり、同じような生命体が誕生し文明が発達し惑星間飛行の技術を持つまでに成熟する時期が一致する確率は、46億分の1万、の2乗となる。つまりそれこそ天文学的な確率であり、今と同時期に宇宙人が存在していると考えるのはかなり難しいのではないか?

 2つ目には高度な文明をもつ惑星があったとして、そこに住む彼らが地球に生命体がいることを発見できるかどうかの問題がある。それこそ何百光年以上も離れたような星から地球を発見することができる科学力がなければならない。おそらく地球から発する人工的な電磁波を受診し位置を割り出すことで発見することになるが、彼らが受信した電磁波は地球で何百年も前に発せられたもので、それを受信する頃は地球上ではすでに何百年も過ぎてしまっている状態だ。彼らがあわてて駆けつけても人類の文明は滅んでいるかもしれない。

  3つ目は同時期に文明があり、また地球上に人類が存在していることも分かったとしよう。それから地球に来るためには、恒星間を移動できる乗り物を準備し、さらに壮大な冒険を行う覚悟をしなくてはならない。それこそ何百光年も離れた場所に行くわけで、命をかけた困難な旅になるだろう。そもそも地球に何をしに来るのか?彼ら宇宙人にとって、わざわざ冒険してまで来るほどの星なのかということもある。その星(国家?)の経済問題の影響も大きい。地球で宇宙開発が華やかだったのは米ソ冷戦のころの話で、今は経済問題のほうが大きく納税者は過度な宇宙開発を許さない。アポロ以降、人を月に送ることができていないのがその証拠だ。

 そう考えると、UFOが存在するならば、宇宙人が飛ばしていると考えるよりも、地球人が飛ばしているか、何かの見間違いであるか、意図的なねつ造物であるか、と考えるほうが遙かに確率は高いだろう。
 銀河系のなかだけでも無数の恒星があり、その周りをまわる惑星はそれ以上の数があり、地球と同じような環境をもち生命を育む土壌は相当数あるはずだ。その中から実際に生命体がうまれ高度な文明をもつであろうことは否定はしない。そのように考えると、地球外生命体はきっと存在するだろう。否、過去には存在したのだろう。否、これから誕生してくるだろう。しかしそれが地球人の文明と同時期に誕生すること可能性は少なく、さらにわざわざ地球まで来ることはない。それがマンデーの結論だ。

 この話の前提は、地球上で通用する、ニュートン力学、相対論、量子論が、宇宙全体で普遍の理論であった場合であり、文明や種族の寿命も地球上の常識が通用したらの話だ。ただそれらを超越した空間や理論が存在し、理論を実現できる科学力と些末な事情などを超越した社会システムと経済力を備え、そして命を捨ててまで何百光年を旅しようと考える強烈な冒険野郎がいれば、宇宙人は地球にくることができるかもしれない。

 まもなく2007年は終わる、新年は愛すべき地球外冒険野郎の初夢で迎えよう。

マンデー

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