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2020.07.20

新しい生活様式というストレスとの付き合い方

今までとは違う新たなストレスが増えた

・夏だというのに、マスクをして外出しなくてはならない

・リモートワークでPC画面に目を凝らすWEB会議が多くて疲れる

・在宅勤務の人事評価は適切にできるのだろうかと、なんとなく不安が募る

 

これらは、全く新しい仕事のストレスとして、ここ数ヶ月で顕在化してきたものばかりだ。

仮に、ストレスとは「これまでの定常状態を変える刺激」と定義すると、新しい生活様式の全ては当面の間はストレスである。これから新しい生活様式に慣れて行こうとしている私たちは、非常に多くのストレスに直面している。

実はこの状況、極めて危険なストレス環境にある。何故ならストレスの多重化は命を脅かすとされるためだ。命を脅かすのは、キラーストレス。キラーストレスとは、ストレスの多重化によって起こる命を脅かす反応であり、現代社会に生きる人は、いつキラーストレスに襲われるかわからないという。

 

キラーストレスのカギを握っているのは脳

様々な研究から見えてきたのは、ストレス反応の暴走であるとも言われている。

通常1つの原因のストレス反応はすぐに収まる。しかし、複数のストレスが重なると、体内に変化が起こり始める。まず、副腎から分泌されるストレスホルモンが身体中に溢れだす。これが、長く続くと体内にストレスホルモンが大量に蓄積することを受け、心拍数が増加し血圧が異常に高い状態となる。その結果、血圧の上昇に耐えられず、大動脈破裂や脳出血などの障害を来すことがわかってきた。

また、キラーストレスが心臓にダメージを与えるメカニズムもわかっている。過去に心臓発作にかかった人のストレス状態を調べたところ、ストレスがかかると心臓の筋肉の血液が途絶えてしまい、自律神経が誤って心臓の筋肉の血管まで締め上げ心不全になるそうだ。

また、ストレスホルモンは癌の急激な進行を促進させ、血管内に潜む細菌を殺人細菌に変化させる力まで持ってしまう。

あらためて、ストレスホルモンが体内に過剰に分泌させ続けることが、キラーストレスの誘因になるという事である。

では、そのストレスホルモンを大量に分泌させるために、最初に反応する脳の箇所はどこかというと、それは偏桃体である。偏桃体は感情を司る箇所で、恐怖や不安を感じる場所でもある。古代から人間の脳に備わった機能であり、天敵である猛獣と草原で出会えば、偏桃体が反応し、副腎から大量のストレスホルモンが放出されることが、血管が収縮して身体がすすぐにでも動ける体制づくりに役立つ。もし、相手に傷つけられても血圧が上がっているために、早く血液が凝固する止血作用もあるそうだ。そして、天敵から去るか、戦いに勝つことができればストレスから解放される。

 

職場ではストレスから逃げられないし闘いにくい

しかし、現代社会の天敵は、時に職場の上司であることもある。そうなると、常に偏桃体は過敏な状況下におかれ、副腎からは大量なストレスホルモンが分泌され続いてしまう。

従って、キラーストレスによって体調に変調を来す可能性は常に高い状況が続く。

例えば、天敵の上司に叱責された一言が頭から離れず、過去の失敗が気になりよく眠れないこともある。更には、将来同じ繰り返しをしたら、上司から見放されるのではないかと、まだ起きてもいない未来にまで不安を感じてしまう。自宅では、夫や妻との役割分担が待っているかもしれないし、通勤電車では酔った若者達がマスクもしないで話し込んでいるかもしれない。ストレスは多重化し続け、ついにはキラーストレスのアタックを受けてしまいかねない。

 

ストレスホルモンを抑えキラーストレスとさせない解決策

さて、私たちが知りたいのはストレスと上手く付き合うために解決策である。そこで、米国心理学会が提唱している対処法を参考にしてみた。次の5つが上げられている。

 

 ① ストレス原因を避ける

 ② 笑うこと

 ③ 誰かのサポートを得る

 ④ 定期的な運動

 ⑤ マインドフルネスの実行

 

中でも脳の構造を変える事が期待されている解決方法は、「④定期的な運動」と「⑤マインドフルネスの実行」である。

まず、「④定期的な運動」が脳の構造を変えるポイントは、運動によって偏桃体の情報を副腎に伝える事を抑止するため、ストレスホルモンの大量分泌を止められる。従って、定期的に運動をすれば、ストレス緩和に効果がある。 

次に「⑤マインドフルネスの実行」は、瞑想をベースにしたプログラムのことで、アメリカではGoogleなどの大企業、学校、刑務所でも導入実施されている。最新の脳科学的検証でも、ストレス対策で驚くべき効果をもたらし、ストレスを効果的に減らすトレーニングで脳の機能を変得る事ができる。

 

マインドフルネスとは何か

このトレーニング法は、マインドフルネスストレス低減法といい、米国MIT医学部で考えられたものだ。瞑想の医学的効果を研究したもので、宗教性を排除したプログラムとして開発され、ストレスを減らすための全く新しい心理療法として確立された。

具体的な実施イメージはつぎの通りである。

 

 *体の力を抜き背筋を伸ばして座る

 *体と呼吸に意識を向け、その様子を感じる

 *呼吸をただ感じる

   お腹が膨らみ、平らになって、胸がゆっくり上がったり下がったり

   鼻を通る冷たい空気を感じとり、吐く息の暖かさを感じる

 *雑念が浮かんでも考えないようにする

 *再び今の瞬間の体と呼吸の意識に戻す

 *時間がきたら瞼に意識を移し静かに目を開ける

 

8週間のプログラムによって構成されている。米国MIT医学部によると、その効果について、「身体的不調は35%軽減」「心の不調は40%軽減」したとされている。

 

最も重要なポイントは、今に注意を向けること

先述したように、上司の叱責を受けた過去の記憶を気に病み、加えてこれから先の上司との関係=未来の想像をして不安を感じたりすることは、偏桃体が刺激され、副腎から大量のストレスホルモンを分泌させてしまっている。

マインドフルネスは「今」に注意に向ける事で、体内の不調のメカニズムを抑えられるとされており、過去も未来もない「今」に集中することで、ストレスホルモンの分泌抑制効果があるものと考えられている。マインドフルネスの実行で脳は変わり、多重化するストレスを減らすことができるということだ。

 

 

新しい生活様式は自分でつくる   

新しい生活様式は、暫く私たちにストレス要因となる。しかし、上記①~⑤の解決方法のうち、①は避けることができない。②、③は新型コロナウイルスの感染拡大から、対面コミュニケーションが難しい。しかし、④、⑤は一人で実行できる。朝のジョギングと寝る前のマインドフルネス瞑想に取り組むなどは効果が期待できそうだ。

 

話は変わるが、先日スポーツトレーナーにストレッチングのやり方を一通り教わった、なんと最後のメニューは瞑想であった。5分間ただ呼吸に意識を向け、5秒で吸い7秒で吐き、呼吸に集中して繰り返すようにと。肩の力が抜けリラックスの感覚をあらためて気づかされた。

新しい生活様式は、強いられることばかりだが、運動と瞑想は強いられるものではない、自らの意志で取り入れられる新しいコトである。ストレスフルな時間は当面続く、決してストレスを蓄積し続けることのないよう、多くの方々にも新しい解決策を生活に取り入れて欲しいと思う。

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